漫画「島さん」分冊版10話のネタバレ
コンビニ夜勤へ向かう島さん。
「たまには上等な酒でも買って帰ろうか…親父」
コンビニへ向かう途中の月を見ながら昔を思い出していく島さん。
場面は昭和41年に遡っていく。
とあるおばちゃんの家に天吉と島さんはいた。この頃はまだ小学生くらいだろうか。この家はオツトメにいったヤクザの息子達がお世話になる家でもあった。
稲三(いなぞう)といった三下ヤクザは天吉の世話でたまに顔を出してきていた。そして島さん(ここでは砂二)も天吉と同じ境遇の人間だと聞いて少しずつ世話を焼いていく事へ。
砂二と天吉の為に発売されたばかりのお菓子。ポッキーを差し入れする稲三。ぼりぼりと美味しく食べる砂二であったが稲三の前ではどうしても強がってしまう。
「父ちゃんの買ってくれたお菓子の方がうまい」
次第に関係を深めていく稲三、砂二、天吉の3人。時には稲三が父親に間違われる事もあった。月日は経過して天吉の父親がオツトメから戻ってくる。そして天吉を引き取っていく事へ。
「あいつの親父ももうすぐだよな」
稲三はおばちゃんに義理を入れていく。砂二に親父が引き取りに来るまでいい飯を食わせてやって欲しいと。
天吉の親父に伝える稲三。
「オジキ、もうぼっちゃん預けるような事しちゃダメですぜ」
下っ端に忠告を受けて苛立つオジキ。しかし、思い出す。稲三も過去は同じ境遇だったのか。
「そっかオメーも確か…世話かけたな…」
その後も顔を出してくる稲三。しかし、砂二の親父が迎えにきてない事を知る。すでに出所しているはず。おばちゃんに訳を尋ねるが知る由もなかった。
砂二は仕事を探すと伝えて、とりあえずおばちゃんの家で置いてもらっていた。一方、稲三は砂二の父親の行方を探す事へ。
「あいつならとっくに女と一緒にヨソに飛んじまったよ」
ガキなら引き取ると稲三に伝えるヤクザ。子供を売り物のように扱おうとするヤクザに喧嘩を売っていく。そして川岸で砂二が一人座っているのを発見。
「分かってたんだ…お父ちゃんろくでなしだから」
稲三は自分も過去、親に捨てられた育った事を明かしていく。今まで辛抱して生きてきた砂二を褒め称える稲三。
「今日から俺がお前の父ちゃんだから安心しろ」
最初は断る砂二。しかし、稲三の優しさ、人間として器の大きさに涙を流していく。そして、この日を境に砂二の父親は稲三へ。
同時にもし稲三が死んでしまったらどうすればいいと尋ねる砂二。当分は大丈夫だと伝える。そして月を見上げて自分は月が好きな事を砂二に伝える稲三であった。
「月はどこにも行かねぇ…さみしくなったら月見上げて笑ってろ」
月を見て少しばかり微笑む島さんであった。